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3点巡回(3点交換)について

ルービックキューブは1手まわすだけで8つのピース(パーツ)が移動します。2つのピースだけを入れ替えることはできません。(分解して組み立て直せは別ですが…)
しかし、3つのピースを入れ替える(巡回させる)ことは、手順をうまく組み合わせることで可能です。
 このサイトでは、ルービックキューブの任意の3つのピースを巡回させる3点巡回手順を多数集めました。

交換子(Commutator)
 ルービックキューブの3点交換の手順は、 αβα'β' という形の手順が多く用いられています。この形をした手順は、交換子(英語では commutator)と呼ばれています。(αとβの交換子ともいいます) 特に、αが1手、βが3手 または αが3手、βが1手 で構成される手順が多数みられます。
 たとえぱ、
  U' R' U L U' R U L' (8) ... (1 2 3)ULL (うちた)
という手順は、このままだと分かりずらいですが、U' R' U を α、 L をβ とすると、
 α' = U' R U、β' = L'
上記の αβα'β' の形をしていることが分かります。
これを分かりやすくするため、αとα'の3手部分を()で挟み、
   (U' R' U) L (U' R U) L'
と表記します。

共役(Conjugate)
  上記の (1 2 3)ULL を行う前に B で 4 のキューブを 3 の位置に持ってきてから (1 2 3)ULL を行い、行った後 B' で 3 の の位置のキューブを 4 に戻すと、結果として (1 2 4)ULU になります。
  手順全体は  B U' R' U L U' R U L' B'
となりますが、前後に付け足した B, B' の部分を - で区切り、
    B - (U' R' U) L (U' R U) L' - B'
と表記します。
 このとき、B を α、(U' R' U) L (U' R U) L' をβとすると、
    αβα'
 という形をしています。これはβのαによる共役(*)(きょうやく、英語では conjugate)といいます。交換子だけでは実現できない位置の3点交換も、共役を利用することで3点交換が可能になり、3点交換の幅が広がります。
*共役は数学用語でもともと「共軛」と表記されていましたが、「軛」の文字が当用漢字に採用されなかったため、代字として同じ読みの「役」があてられるようになりました。

 共役を利用すると前後に操作が追加されるので、その分、手数が長くなりますが、場合によっては操作が相殺されて短くなる場合もあります。
 たとえば、
    F2 L2 F' R' F L2 F' R F' PLL-03 = (1 2 3)UUU (うえあ)
 は、(F L2 F') と R' の交換子に F により共役が加わったもので、
    F - (F L2 F') R' (F L2 F') R - F'
 と表せます。最初の F と、その次の F とが連続するため、F2 となり、1手減りました。

 ちなみに、当サイトでは次のように、手順のあとに ( ) にて手数を表示し、その後ろ構成を明らかにするように努めています。
    F2 L2 F' R' F L2 F' R F' (9) = F - (F L2 F') R' (F L2 F') R - F'

3点巡回の類型
 コーナーピースの3点巡回は、3点の位置関係の類型をまとめると、次の3つのパターンに分類できます。
   Type 1 (1 2 3)型 … 3つのピースが同一面にあるもの
   Type 2 (1 2 7)型 … 2つのピースが隣接し、1つが離れているもの
   Type 3 (1 3 6)型 … 互いに隣接するピースがないもの

 同様に、エッジピースの3点巡回は、9つの類型に分けられます。
   Type 1 (a b c)型
   Type 2 (a b e)型
   Type 3 (a b f)型
   Type 4 (a b h)型
   Type 5 (a b i)型
   Type 6 (a b k)型
   Type 7 (a c i)型
   Type 8 (a c j)型
   Type 9 (a g l)型

反対面を回す操作
 また、手順βの反対面を回す場合を β* と表すとすると、αβα'β* という形をした手順も少ないながら見られます。
 たとえば、
  D2 R2 B' R2 D2 L2 F' L2 (8) ... (agc)ULU (ウテア)
 という手順は、α = D2、β = (R2 B' R2)
とすると、最後の3手部分はβの反対面を回しています。そこで、
  (L2 F' L2) = β* = (R2 B' R2)*
と表記すると、
  D2 R2 B' R2 D2 L2 F' L2 = D2 (R2 B' R2) D2 (R2 B' R2)*
となり、構成がわかりやすくなります。

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